オルソケラトロジー
オルソケラトロジーとは
医療法人葛城会かつらぎ眼科クリニックでは、新たな屈折矯正治療としてオルソケラトロジーを開始いたしました。
オルソケラトロジーとは、一般的なコンタクトレンズとは異なり、寝ている間に特殊な形状をしたレンズを装用する事で、角膜の形状が正しく矯正され、朝レンズをはずしてもその角膜形状が維持されている間は、裸眼で過ごすことができるという、新しい視力矯正法です。
最近では、アメリカや日本国内でもレーシック難民の問題が指摘されております。これはレーシック手術後に良い治療結果が得られず、多くの患者様が路頭に迷っている問題で手術による不可逆性が原因となっております。一方、オルソケラトロジー治療は可逆性なので、就寝時の装用を中止すれば角膜を元に戻すことができるため、メガネやコンタクトレンズなどの他の矯正方法に切り替えることも可能です。加えて、最近ではオルソケラトロジーの「近視抑制効果」も注目されており、今後は近視が進行している小児のみなさまへの更なる治療効果が期待されております。
メリット
当院で採用しておりますオルソケラトロジーレンズの東レ製「ブレスオーコレクト」は患者様のメリットとして下記を挙げることができます。
★メリット
- 1. 充実のレンズ保証
破損交換、処方交換のメーカー保証が付いており、患者様の費用負担を軽減します。
- 2. 高い酸素透過性
東レのブレスオー素材を使用しており、睡眠中も角膜へ十分な酸素を供給します。
- 3. 破損しにくい素材
東レのブレスオー素材を使用しており、破損しにくいため患者様のお財布にも優しいレンズです。
- 4. 安心の素材
約20年の実績を持つ東レのブレスオー素材を使用しておりますので、安心してお使いいただけます。
- 5. 装用感の良さ
比較的柔らかい素材を使用しているので、目のゴロツキを軽減します。
★デメリット
- ・従来の昼間装用ハードコンタクトレンズと同じ合併症が起こる可能性があります。
- ・視力が安定するまで見え方が変動することがあります。
- ・夜間にまぶしかったり、にじんで見えたりする可能性があります。(ハロ・グレア)
★オルソケラトロジーの安全性
オルソケラトロジーは、アメリカで30年以上前から研究・施術され、現在、アメリカ・ヨーロッパ・アジアを中心に、世界各国でその安全性と効果が認められ、実施されております。
レーシック等の外科的手術と異なり、レンズの装用を中止すれば、角膜の形状は元に戻りますので、安心してお使いいただけます。
また、日中装用のコンタクトレンズとくらべても、夜間の装用なので、ほこり等が目に入ったりせず、レンズを紛失する心配も減るなど、安全・快適にお使いいただくことが出来、リスクは一般のコンタクトレンズと同等またはそれ以下となります。
治療の流れ
★初診・カウンセリングのご予約
オルソケラトロジーの初診は、ご予約が必要となります。
★初診(カウンセリング・検査・診察)
- ・カウンセリング
- オルソケラトロジーを正しく理解していただくために、眼の構造から矯正方法までを、簡単にご説明いたします。 また、オルソケラトロジーに関するご質問にお答えいたします。
- ・検査
- 一般的な眼科検査と角膜形状解析検査を行います。
- ・診察
- 検査後、眼科専門医による診察となります。診察時に疾患が発見された場合は、治療し、完治したところで再検査を行います。この診察時に、オルソケラトロジーの適応を判断いたします。
オルソケラトロジーの適応と判断された場合は、ファーストトライアルレンズを決定します。 - ・カウンセリング(診察後)
- 検査データをもとに、具体的な矯正法と注意事項等に関するご説明をいたします。不明な点や不安な事項をすべて取り除けるように、些細なことでもご質問ください。
★テスト装用
オルソケラトロジーを理解し、希望される患者さんにはトライアルレンズをテスト装用し検査します。 テスト装用後、診察を行いフィッティングの確認と効果の度合いによって、処方レンズを決定します。
★処方
処方を受けられる場合は、オルソケラトロジーレンズの取り扱い説明と装用練習を行います。取り扱いおよび装用が問題なく行えるようになりましたら、処方は終了です。
★翌日検診
初めて装用された翌日には、検診があります。簡単な検査を行い、診察となります。
フィッティングと効果を確認し、 特に問題がなければ、次回は1週間後検診となります。
定期検診は、翌日・1週間後・2週間後・1ヵ月後・3ヵ月後となり、以降3ヵ月ごとにあります。
角膜の状態を知り、また、合併症の早期発見のためにも非常に重要ですので、必ず受診してください。
見え方が急に変化したり、何か異常を感じたりした場合は、決められた検査日以外でも受診してください。
費用について
当院で使用するオルソケラトロジー用レンズは、厚生労働省に認可されております。
したがって、患者様の眼に挿入することは国で認められています。
しかし、健康保険では取り扱いがされておりませんので、このレンズを使用しての治療に関しては、自費での請求となります。
適応検査 | 10,000円 (非適応 5,000円) |
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トライアル貸出料(1週間) | 両眼・・・60,000円 片眼・・・30,000円 |
購入代金 | 両眼・・・140,000円 片眼・・・70,000円 |
年間パスポート(定期検診代) | 10,000円 |
紛失・破損・更新(1枚) | 50,000円(保証外の場合は30,000円) |
*レンズの寿命は約2年です。
*年間フリーパスは何度でも検査を受けて頂けます。1年間の定期検診代として、毎年お支払頂きます。
*お薬が必要な場合はお薬代が発生します。
治療開始時のコンタクトレンズ初回調整費に10,000円(税抜)、
1週間のテスト装用治療には、レンズ一枚預り金30,000円(税抜)が別途必要です。
1週間のテスト装用後、継続される場合は初回治療費からテスト装用治療預り金を差し引いた残額をお支払いいただきます。
継続されない場合、コンタクトレンズを返却していただき、テスト装用預り金のうち5,000円(税抜)をお支払いいただきます。預り金残額はご返金いたします。
オルソケラトロジー用のコンタクトレンズはクリニックの所有物であるため、それを貸出しての治療となります。
従って、破損や紛失の場合は治療再開費用として片眼30,000円(税抜)が別途必要となります。
※ケア用品、別途ご購入いただきます。
オルソケラトロジー治療を受けるかどうかはあくまでも任意です。あなたの意志で決めてください。ただし、いったん治療を受けることへ同意され、コンタクトレンズを注文してからの撤回(中止)については、いかなる理由であっても費用をお返しすることは出来ません。
治療中に眼球の状態によっては、医師の診断によりコンタクトレンズの装用を中止し、点眼等の薬剤投与が必要な場合があります。オルソケラトロジー治療が原因であるものは自費で、そうでないものは保険での診療費が別途必要になります。
10万円を越した費用は補助が得られます。医療費控除の対象になりますので、詳しくはこちらの国税庁による回答ページをご覧下さい。
オルソケラトロジー(角膜矯正療法)による近視治療に係る費用の医療費控除
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/05/66.htm
当院で使用するレンズについて
2012年7月に発売された日本人の角膜形状に合わせた純国産の最新オルソケラトロジーレンズである「ブレスオーコレクト」の取り扱いを始めました。
ブレスオーコレクトは厚生労働省の認可を受けています。
★欧米人と日本人の角膜形状の違い
一般的に、日本人の角膜は欧米人の角膜に比べ、中央部の突出が少ない形状になっています。中央部の突出が少ない角膜形状には、サジタルデプスが浅めのレンズがフィットします。
欧米デザインのサジタルデプスの深いレンズを中央部の突出が少ない角膜に装着した場合、次のような現象が発生する懸念があります。
- 1. 角膜への無理な吸着がおこる
- 2. フィットしていないため涙液の交換が良好に行えない
- 3. 角膜上皮を無理に形成してしまい大きな負担がかかってしまう
一般的な日本人の角膜形状に適したサジタルデプスが浅い構造のレンズを処方することで、以下のようなメリットがあります。
- 1. 角膜上に自然に安定
- 2. 涙液の交換が良好におこなえる
- 3. 全体にフィットしているので角膜上皮のみを安全に矯正
★素材に、東レ独自のレンズ素材を使用
ブレスオーコレクトは、東レ株式会社のしなやかで割れにくい「やわらか素材」(右図)を使用し、高い酸素透過性と割れにくさを両立したハードコンタクトレンズです。
親水性が高く、レンズによごれが付着しにくいことも特長です。
※「ブレスオーコレクト」は株式会社ユニバーサルビューが販売しております。
Q&A
★レンズの扱いは難しくないですか?
多少注意を要しますが、基本的な扱いは通常のハードコンタクトレンズと変わりません。
★オルソケラトロジー治療はどんな人に向いていますか?
スポーツをされている方、コンタクトレンズや眼鏡の装用が煩わしい方、職務上、または、資格取得のために裸眼視力が必要な方に適しています。
★レンズの寿命はどれくらい?
レンズの寿命は通常の高酸素透過性ハードコンタクトレンズと同じくらいです。2~3年程度で交換が必要になります。定期検診をきちんと受け、医師やスタッフにレンズの状態を確認してもらい適切に使用するようにしてください。
★レンズの保証はあるの?
装用開始日から6ヶ月以内であれば左右ともに1回のみ無償で処方交換(度数・サイズ)ができます。
装用開始日から1年以内であれば左右ともに1回のみ無償で破損交換ができます。
※交換の際は必ずレンズの破片が半分以上あることが条件になります。
また、紛失保証はありませんので、レンズの取扱いには十分ご注意ください。
★いろいろなケア用品があるけど、どれを使っても良いの?
オルソケラトロジーのレンズは特殊なレンズですので、ケア用品は指定のものをご利用ください。詳しくは医師やスタッフにお問い合わせください。
★寝ている時にレンズを着けても大丈夫?
角膜にとって酸素は必要不可欠です。角膜に充分な酸素が供給されなくなると、角膜を透明に保つはたらきを持つ角膜内皮細胞が傷つき減少していきます。減少すると、角膜は透明性を維持できず、次第に白く濁り、最悪の場合、視力障害を起こしてしまいます。
オルソケラトロジーで使用するレンズは、ほとんどが厚生労働省に承認されたレンズで、安全性の高い高酸素透過性のレンズ素材で作られており、装用したまま眠ることが認められています。
また、角膜内皮細胞の状態を確認するためにも、定期的に眼科を受診することを心がけましょう。