マイオピン(低濃度アトロピン治療)について

マイオピン(低濃度アトロピン治療)について

マイオピン(低濃度アトロピン治療)について
category: 目の病気について|2016.3.17

かつらぎ眼科クリニックでは、近視の進行を止めるために、新しい治療法を始めています。

アトロピンという目薬を100倍に薄めてさすという方法です。海外の論文では、副作用を最小限にして、なおかつ十分な近視進行抑制効果が得られることが示されています。(約60%の近視抑制効果!)
この治療方法は、近視眼の多いアジア地域ではすでに一般的に行われており、特に台湾では80%の眼科医が標準治療として、「低濃度アトロピン」を取り扱っ ています。それにより、子供が強い近視になる割合が低下しているという報告もあります。台湾では、現在近視の第一治療選択がこの点眼になっています。

アトロピンは散瞳(瞳孔を開く)作用があることで知られ、古くから治療や検査目薬として使われてきました。強力なピント調節麻痺作用があり、斜視や弱視の診断には欠かせない目薬です。
近視の進行を抑制する効果があることも昔からわかっていました。しかしながら、実際に使ってみると、散瞳作用のために非常にまぶしく、ピント調節麻痺作用のために字の読み書きが困難になってしまいます。
そういった理由で、アトロピンは副作用が強いので近視予防には使えないと考えられてきました。
ここ数年、アトロピンは見直され、再び近視予防に使われ始めました。濃度を薄くしても十分効果があるという報告が相次いだからです。
100倍に薄めれば散瞳作用も調節麻痺作用も通常問題になりません。報告でも、ピント調節力、瞳孔の大きさ、近方視力とも無投薬群との差は無視できるほど小さかったとのことです。一番多かった副作用はアレルギーで、これは投与を中止すれば治りますので心配ありません。

なぜアトロピンが効くのか、現時点では不明です。以前は調節麻痺作用を介して効くと考えていましたが、極端な低濃度でも効くことを考えると否定的です。現 在は眼軸長(目の奥行きの長さ)を伸展させる働きのあるムスカリン受容体をアトロピンが直接ブロックしているのではないかと言われています。

当院では、低濃度アトロピン投与の対象となる方は、6歳以上で12歳以下の学童の方、中等度(-6D)以下の近視の方とさせて頂きます。
目薬は一度に3本処方する予定です。1日1回就寝前点眼です。
3ヶ月毎の定期検査になり、視力、屈折状態(近視の程度)、眼軸長、瞳孔径、副作用の有無など確認します。
日本でも7大学にて臨床研究が始まり、当院では臨床研究と同じ目薬を使用します。
本治療は自由診療となり、診察・検査費として1000円(税込)、お薬代は1本3000円(税込)になります。
興味を持たれた方、ご希望の方はどうぞご遠慮なくかつらぎ眼科クリニックにご相談ください。

 

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