白内障手術時の眼内レンズの種類について

白内障手術時の眼内レンズの種類について

白内障手術時の眼内レンズの種類について
category: 白内障, 目の病気について|2016.3.17

白内障について第2回目は、『白内障手術時の眼内レンズの種類について』です。

眼内レンズの種類について
 ①単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズ
単焦点眼内レンズは光学部に焦点を一つ用います。そのため焦点距離以外は明視できません。
多焦点眼内レンズは、光学部に2つ以上の焦点を持ちます。網膜上には同時に遠近両方の像が結像して、両方とも明視できるので、白内障術後の眼鏡依存率を飛躍的に軽減できます。その一方で網膜像のコントラストは通常の単焦点IOLに劣ります。このような多焦点の原理は、グレアやハロと呼ばれる夜間の不快な光像の原因となります。

 ②シングルピース眼内レンズとマルチピース眼内レンズ
シングルピース眼内レンズは、光学部から支持部まで、すべて疎水性アクリル樹脂で一体成型されています。2mm前後の極小切開創からの挿入が可能で、信州や手術によりひき起こされる乱視を軽減することができます。
マルチピース眼内レンズは、アクリル製光学部と素材の違う支持部からなります。後発白内障が出にくいデザインになっています。

 ③非球面眼内レンズと球面眼内レンズ
非球面眼内レンズは、眼球全体における球面収差の軽減をコンセプトに設計されているので、術後良好な視機能が得られます。IOLの偏心や傾斜によるコントラスト感度低下の影響が大きいのが欠点です。

 ④トーリック眼内レンズ
白内障手術で、乱視を矯正することができるので、術後の裸眼視力を大きくあげることができます。眼内レンズの値段が高いため、一般病院では敬遠がちです。(保険診療で病院が得る収入は約12万、乱視矯正用眼内レンズは、定価14万円!)

 ⑤着色眼内レンズと無着色眼内レンズ
無着色眼内レンズは、紫外線に加え短波長光を吸収しないため、術後に青白くみる(青視症)を訴えことがあります。着色眼内レンズは人健常水晶体の分光透過特性に似せているため、自然は色合いに近くなります。

当院では上記すべての眼内レンズを取り揃えており、患者様に応じて一番ベストだと思う眼内レンズを選択します。

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