学校健診について①
category: 目の病気について|2016.4.14
学校の検診では学業への影響があるかどうかを短時間で検査するために、370方式と呼ばれる方法を採用しています。
A(1.0以上)の人は教室の一番後ろの席からでも黒板の文字を楽に読めます。
B(0.7-0.9)の人は教室の真中より後ろの席にいても黒板の文字をほとんど読めますが、小さい文字になると見にくいものがあります。
C(0.3-0.6)の人は真中より前の席でも小さな文字が半分くらいしか読み取れません。
D(0.2)の人は一番前の席に座っても、眼鏡がなければ、はっきり読み取れません。
学校検診にて眼科での検査を勧められた際には、学校から渡される視力検査の結果を書き込む用紙をお持ちください。検査の結果をそちらの用紙に記入させていただきます。
こちらの作成料金は、診療代には含まれず余分な費用はかかりません。小学校低学年では、両眼で0.7見えれば、教室のどの席でも黒板の文字が見えるとされています。高学年から中学生以上では、両眼で1.0以上見えることが望ましいようです。
幼児や小学校低学年の多くは、視力に異常がないかあっても軽い遠視です。しかし、小学校中学年・高学年・さらに中学生へと進むと近視の割合が増えてきます。
このように、子供の視力は変化しますし、学校保健法で定められていますので、学校生活に影響がないよう、定期的な視力の健診が必要になります。
☆近視について
近視は、残念なことに眼鏡をかける、かけないに関わらず、ほとんどの小児で進行がみられます。眼鏡をかけることで近視が進行すると思い込み、眼鏡をかけず に"見えにくい生活"をおくるよりは、適切な眼鏡を装用して"見える生活"をおくる方が、子供にとっても良いですし、学習の効率も上がります。初めての眼鏡で無理なくかけられる近視度数は個人差があります。眼科で試しがけをしてみて、適切な度数決定をしてもらいましょう。
また、近視は、ほぼ90%以上が学童期に進行して、近視度数が強くなります。小学校の時期では、6~9か月ごとにレンズ交換が必要なことが多いですので眼科のかかりつけ医をもたれることをお勧めします。
☆遠視について
就学前の幼児では、圧倒的に遠視が多いです。軽い遠視であれば幼児では症状をきたすことはありませんが、学童期になると眼精疲労を訴えることがあります。 裸眼視力が不良だったり、眼精疲労がある場合は、遠視の眼鏡を装用することで症状が改善することがありますので、子供さんと保護者の方と相談しながら眼鏡 処方を決めていきます。
しかし、弱視や内斜視がある場合は別で、治療としての眼鏡が必要になりますから、眼科医とよく話合って治療をしていきましょう。
☆仮性近視について
仮性近視は、正しくは調節けいれんといいます。長時間近くの作業を続けていたことにより、毛様体筋(ピント合わせに関わる筋肉の緊張=調節)がけいれんし、近くに焦点があったままになる状態です。
実際には、遠くが裸眼で見にくく、近視の眼鏡を装用すると視力が良好になるにも関わらず、調節を麻痺する目薬を点眼して調べると近視がない状態のことをいいます。
調節けいれんが起こりやすいのは、学習時間が多くなる小学校高学年からが多いですが、実際には調節けいれんというケースはあまりありません。
しかし、外遊びの減少、塾通い、パソコンやゲームといった室内での近くの作業中心の生活環境で、調節けいれんが疑われる場合は、調節を休ませてあげる目薬による治療が有効な場合もあります。
気をつけなければいけないのが、近視になった目には効果がないので安易に目薬に頼るのではなく、近視の目には適切な眼鏡を装用することが望ましいです。
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