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はやり目(流行性角結膜炎など)について
2024.9.21|ブログ

 みなさま、こんにちは。院長の杉山です。

今年の夏は、度々“猛暑日”や時には40℃近い日もあって、例年以上につらい暑さでしたが、ようやく少しずつましになりつつあります。一方で、パリオリンピックでの日本選手の活躍や大谷選手による前人未到の大記録達成など、沸きに沸いた夏でもありました。それにしても早く秋らしい秋になってほしいものですね。

さて、今回はコロナ禍の頃、下火になっていた流行性角結膜炎(EKC)が今年に入って、また少し増えてきましたので、少し説明したいと思います。

EKC、俗にいう“はやり目”は、ウイルス性結膜炎の一種です。風邪の原因ウイルスの1種であるアデノウィルスによって引き起こされる結膜炎で、ある日、急に白目(結膜)が真っ赤になり大量の「めやに」が出ます。まぶたが腫れ、耳の前にあるリンパ節が腫れて触ると痛みがあります。子どもや症状が強い人の場合は、まぶたの裏に偽膜という白い膜ができ、眼球の結膜に癒着をおこすことがあります。また炎症が強いと黒目の表面がすりむける角膜びらんを伴い、とても痛くなることがあります。潜伏期間は7日~14日で、非常に感染力が強いため、家庭内感染に注意が必要です。完治までに2~3週間かかるのが普通です。発病から12週間して、黒目に小さい濁り(角膜混濁)がでてくることがあります。濁りがでると、まぶしさやかすみを感じたりします。自然に消えていくこともありますが、重篤な場合は視力低下を来たします。ステロイド点眼薬を使用すると効果があります。 

EKCに似ていて、やはり“はやり目”と呼ばれるウイルス性結膜炎に、咽頭結膜熱と急性出血性結膜炎があります。咽頭結膜熱はEKCと同様、アデノウィルスによって引き起こされますが、ウイルスのタイプが異なり、結膜炎だけでなく、のどの痛みや熱がでる咽頭結膜熱を起こします。39度前後の発熱が数日つづき、のどの痛みを伴います。時には吐き気や下痢などおなかの症状を伴います。1週間くらいでよくなりますが、数週間、便の中にウイルスがでています。プールで感染することもあり、プール熱とも呼ばれます。

急性出血性結膜炎はエンテロウイルスかコクサッキー変異株によっておこります。アデノウイルスによる結膜炎と同じような症状ですが、1週間くらいで治ります。はじめのうちは目がとてもゴロゴロします。
 これらの“はやり目”といわれるウイルス性結膜炎には、特効薬はありません。炎症を抑えたり、細菌の混合感染を予防したりするための点眼薬を使用します。

ウィルス性結膜炎に似た症状の病気として以下のようなものが挙げられます。アレルギー性結膜炎、角膜感染症、ヘルペス性角結膜炎、帯状疱疹、角膜びらんなど。特に発症まもない時期には、アレルギー性結膜炎と紛らわしい場合もあります。アデノウイルスを検出するキットもありますが、100%の検出率(感度)ではなく、また発症後の時期によっては陽性にならないこともあるので注意が必要です。

以上、今回は流行性角結膜炎など“はやり目”について説明しました。ほかのことでも目について気になる症状がある場合は遠慮なくご相談ください。コンタクトレンズの処方希望やトラブルの方もお気軽にお越しください。

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