「目のアレルギー」(2)
2025.5.15|ブログ
みなさま、こんにちは。院長の杉山です。桜の時期も過ぎて青葉の季節となり、大阪・関西万博も始まりましたね。寒かった春も終わり、急に暑くなって来ましたが、体調管理にはくれぐれもご注意ください。
さて、今回は前々回に引き続いて「目のアレルギー」について説明します。前々回に述べた以外の代表的な「目のアレルギー」について、解説します。
●アトピー性眼瞼炎・アトピー性角結膜炎・春季カタル
アトピー性皮膚炎は痒みを伴う湿疹が繰り返し起こる慢性の皮膚疾患で、主に乳幼児期や小児期に発症し、成人型のアトピー性皮膚炎に進行する場合があります。目の周囲の皮膚・に、赤いまだら、湿疹、むくみ、ただれ、かさつき、固く厚くなる、などの特徴的な症状がみられ、痒みをともないます。眼瞼の皮膚に症状が出た状態がアトピー性眼瞼炎で、白目(結膜)や角膜に症状が出た状態がアトピー性角結膜炎です。ひどい場合には角膜にキズができたりして、視力低下を引き起こすこともあります。
春から夏にみられる重症のアレルギー性結膜炎を春季カタルと呼びますが、その患者さんの70%以上にアトピー性皮膚炎がみられます。
治療は抗アレルギー薬やステロイド薬の点眼を行いますが、症状が重い場合にはステロイド懸濁液の結膜下への注射や免疫抑制剤の併用、角膜掻爬を行うこともあります。ステロイドの使用が長期になると、緑内障、白内障、感染症などの副作用が起こることもありますので、定期的な眼科受診が必要です。
●コンタクトレンズ(CL)によるアレルギー性結膜炎(巨大乳頭結膜炎)
CLの汚れに対するアレルギー性結膜炎は巨大乳頭結膜炎とも呼ばれ、上眼瞼の裏側の結膜に乳頭と呼ばれる、大きめの突起物(ブツブツ)が多数生じ、痒みとともにCLが上に引き上げられる症状を引き起こします。めやにや異物感も伴うことがあります。
対処としては、抗アレルギー薬やステロイド薬の点眼を行いますが、症状が強い場合はCLの一時中止が基本です。2週間使い捨てから1日使い捨てのCLに変えることで症状がましになる場合もあります。
●目薬によるアレルギー性結膜炎・眼瞼炎
ほぼ全ての目薬がアレルギーの原因になり得ますが、例えば緑内障の点眼薬の中に結膜やまぶたのアレルギー症状を起こしやすいものもあり、中止せざるを得ないことがあります。
●フリクテン性角結膜炎
角膜・結膜に小さな水ぶくれを引き起こすことがあり、細菌のたんぱく質に対するアレルギーと考えられています。充血とともに痛みや異物感(コロコロする)、流涙、まぶしさなどを生じます。ステロイド薬や抗菌薬の点眼によって治します。
以上、今回は前々回に引き続き、目のアレルギーについて原因と対処法を解説しました。ほかのことでも目について気になる症状がある場合は遠慮なくご相談ください。コンタクトレンズの処方希望やトラブルの方もお気軽にお越しください。