体の時間について
2021.10.1|ブログ
みなさん、こんにちは。院長の内田です。
突然ですが、体も約24時間のサイクルで地球と一緒に時を刻んでいる事、ご存じでしょうか。
体の全ての細胞には、時計遺伝子という遺伝子があり、
地球に合わせて約24時間でタンパク質を作っては分解して1日の時を刻んでいるのです。
そして、全身の細胞のサイクルを同期させて一致させている細胞が、
古い脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)という部分にあります。
視交叉上核の細胞は、どうやって体外の朝夕のサイクルを確認しているのでしょうか?
そこで活躍するのが、眼球の網膜というところにある “メラノプシン含有神経節細胞” という細胞なのです。
網膜で色を見分けている細胞は視細胞といい、色情報はバトンタッチで脳の視覚野へと伝えられます。
しかし、“メラノプシン含有神経節細胞”は色を見分けても、視覚とは無関係で、
その情報(光量による刺激の強弱)は時間情報として視交叉上核へと伝えられるのです。
ちなみに、“メラノプシン含有神経節細胞” は、太陽光のブルーライト成分にだけ反応して、
その光量を視交叉上核に送信しています。
朝からお昼にかけてしっかりブルーライトの刺激を受けると、“メラノプシン含有神経節細胞”を介して、
視交叉上核は午前中だ。。。と判断ます。すると視交叉上核ではメラトニンというタンパク質の生成を抑えます。
そして、ブルーライトが減る午後2時以降くらいからは“メラノプシン含有神経節細胞”を介して、
視交叉上核は午後だ。。。と判断します。
すると視交叉上核ではメラトニンというタンパク質の生成を開始します。
そして、いざ睡眠時には、そのメラトニンが分泌されて全身を巡り、色んなホルモンの量を調整して、
全身の調子を整えてくれるのです。
現代の生活はブルーライトの量が多いデバイスに朝夕関係なく囲まれており、
体の時計を狂わせる原因になり得ます。夕方になったら、デジタル画面の輝度を下げる、などの対策も必要です。
よく耳にした、昼は外でよく遊んで、夜は遅くまでテレビやゲームをしないように。
という昔からの注意はホルモン的に、実に正しいのですね。
白内障になると、日中のブルーライトの量が減ってしまい、体のサイクルがずれてしまう場合があります。
白内障の手術でブルーライトの量にメリハリがつき、睡眠の質や、認知機能を上げるという報告が多々されています。
眼鏡を替えても、どうしても焦点が合わない、などという症状がありましたら、
眼精疲労だけでなく、体も疲れているかもしれません。是非ご相談くださいね。