角膜内皮細胞検査について
2024.7.25|ブログ
みなさま、こんにちは。
院長の杉山です。今年も早いもので、半分以上が過ぎました。今年の夏は猛暑になるという予報で、今から心配ですね。熱中症にはくれぐれも注意して下さい。
さて、今回は当院でも時々行っている「角膜内皮細胞検査(スペキュラーマイクロスコープ)」について少し説明したいと思います。
角膜内皮細胞といってもピンとこないかもしれませんね。角膜は眼球の一番前側にあって透明な組織ですが、数層から成っていて、その一番後ろ側にあるのが角膜内皮です。その角膜内皮を形作っているのが角膜内皮細胞です。角膜内皮は角膜の透明性を保つ上で重要な役割を担っているので、角膜内皮細胞が極端に減少すると角膜が濁ってきて、矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズなどで矯正した時のベストの視力)が低下して来てしまいます。そうなると眼鏡やコンタクトレンズをいくら替えても、見えにくい状態を改善できなくなります。
さて、この角膜内皮細胞は加齢とともにある程度減少して来ますが、それ以外の原因でも減って来ます。原因としては、例えば白内障など眼科の手術(ある種のレーザーを含む)、角膜の病気、それからコンタクトレンズによる酸素不足など。角膜内皮が正常か異常かを示す代表的な指標は細胞密度(/mm2)ですが、この正常値は20~40歳で3000以上、60歳以上で2500程度です。2000以下だと異常値とされますが、特に500以下だと水疱性角膜症という病気になるリスクが高いです。水疱性角膜症は上で述べた角膜が濁ってくる病気で、深刻な視力低下を来すので角膜移植を要する場合も多いです。
コンタクトレンズによる酸素不足には、素材の酸素透過性、装用時間などが関係しています。角膜内皮細胞の状況によってはコンタクトレンズの種類変更や装用時間短縮を検討した方がよい場合もあり、提案させていただいています。
以上、角膜内皮細胞検査の概略について、お伝えしました。そのほかでも目について気になる症状がある場合は遠慮なくご相談ください。コンタクトレンズの処方希望やトラブルの方もお気軽にお越しください。