閃輝暗点について
2025.8.19|ブログ
みなさま、こんにちは。院長の杉山です。記録的な猛暑もようやく峠を越してきたかな、と思ったのも束の間で、また戻ってきた感じですが、皆さまお変わりございませんか。
さて、今回はしばらくの間、光が見える症状なので、まず眼科を受診される方が多い“閃輝暗点”について解説します。
閃輝暗点とは視界に異常な光や視野欠損が一時的に現れる現象(症状)です。具体的には、ギザギザあるいはキラキラした光が見え始め、それが徐々に広がり、普通5~20分程度で消失します。片頭痛の前兆として起こることの多い症状で、この後、頭痛を伴うこともあります。基本的には両目ともで見える症状であり、片目でしか見えない場合は別の症状の可能性が高いです。
どうして起こるのか、正確な原因は不明ですが、大脳皮質の血管の収縮や拡張が関係していると考えられて来ました。ただ、最近では大脳皮質細胞の過剰興奮に引き続く電気活動抑制状態が関与しているとみられています。
頭痛の有無にかかわらず、まれに一過性脳虚血発作、脳梗塞、脳腫瘍、脳動静脈奇形、クモ膜下出血、てんかん等の症状である場合もあり、頻繁に起こるようなら、脳神経外科・脳神経内科などで頭部の精密検査を一度は受けておいた方がよいと思います。
閃輝暗点を誘発するものとして知られているのは、ストレス、喫煙、睡眠不足、コーヒー、アルコール、チョコレートなどがあり、生活習慣や食生活も関与しているようです。これらを改善したり避けたりすることが予防につながる可能性もあります。
脳内に特に異常がない一般的な場合の治療についてですが、まずは安静にして様子をみます。片頭痛を伴う場合は鎮痛剤・制吐剤(吐き気止め)などを服用します。片頭痛を予防する薬もあり、頭痛のない閃輝暗点の予防にも効果のある場合があります。
以上、今回は心配になって最初に眼科外来を受診されることの多い“閃輝暗点”という症状について解説しました。
ほかのことでも目について気になる症状がある場合は遠慮なくご相談ください。コンタクトレンズの処方希望やトラブルの方もお気軽にお越しください。