結膜下出血について
2025.6.24|ブログ
みなさま、こんにちは。院長の杉山です。いきなり夏日になったと思っていたら、今度は梅雨入り、1週間ほどでまた真夏日になって、と目まぐるしくかつ過ごしにくい日々ですが、皆さま体調にお変わりございませんか。
さて、今回は皆さんが遭遇するとびっくりして外来(時には救急外来)受診されますが、ほとんどの場合、特に心配のない結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)について解説します。
眼が赤くなる状態には大きく分けて充血と出血があります(両方合併することも稀にありますが)。充血は血管が拡張している状態で、何らかの炎症を伴う場合が多いです。一方、出血は血管が破れて血液が血管外に出た状態で、小さな点状のものから斑点状、時には眼球の白目(結膜)全体をおおう広範囲なものもあり、血管が見えなくなる場合もあります。血腫という血の塊を形成する場合もあります。
特徴的なことは、通常の結膜下出血では痛みや痒み、目やになどの症状を伴わず、見えにくくなったり、視野が狭くなったりすることがないことです。出血が起こる前後に痛みを感じる方がおられますが、その後は治まることがほとんどです。
特に点眼などの治療をしなくても、1~数週間ほどで自然に吸収されてきれいな白目に戻ります。時間がかかっても治るものなので心配は御無用です、
原因は不明なことも多いですが、全身的な原因として高血圧、糖尿病、出血傾向(血液の病気や抗凝固剤内服中など)、腎炎などがあります。頻繁に起こされる場合は内科で相談して下さい。くしゃみ・咳、過飲酒、いきみ、月経などを誘因とする場合もあります。また、特殊な場合として眼外傷や急性結膜炎などに伴って起こることがあり、これらの場合だけは痛みや見えにくさ、目やにを伴うこともあり、注意が必要です。
以上、今回は驚いて外来受診されることの多い結膜下出血について原因と対処を解説しました。外傷など特別な場合を除き、あわてて救急外来等を受診される必要はありませんから、ご安心下さい。
ほかのことでも目について気になる症状がある場合は遠慮なくご相談ください。コンタクトレンズの処方希望やトラブルの方もお気軽にお越しください。