続発緑内障について(2)
2024.12.14|ブログ
みなさま、こんにちは。院長の杉山です。猛烈な暑さの夏から秋、さらに冬に入り、最近ではすっかり冬らしくなってきたと思ったら、早いものでもう年末が近づいています。寒くなってまたウイルス感染症が流行しつつあるようですので、くれぐれもご自愛なさって、良い新年をお迎えください。
さて、今回は続発緑内障についての2回目です。前回は「ステロイド緑内障」と「炎症による緑内障」でしたが、今回は「外傷による緑内障」と「血管新生緑内障」について解説します。
外傷による緑内障
文字通り眼の外傷によって起こる緑内障です。比較的多いのは眼球打撲による前房出血(角膜と虹彩の間の部分にたまる出血)で生じる眼圧上昇です。前房出血は通常は1週間以内に吸収され、眼圧も正常になりますが、1割前後で再出血を起こすとされており、安静と薬による治療で吸収されない場合は出血を洗い流す手術が必要になることもあります。それ以外の状態についてはケースバイケースで、手術を要する場合もありますが、多岐にわたる状態があるので、詳細は省きます。
血管新生緑内障
緑内障の中でも治すことが難しいタイプの代表です。具体的には虹彩や隅角(過去のブログを参照)に本来ないはずの血管(新生血管)が生じ、それが眼圧上昇につながりますが、目薬だけでは眼圧を正常化させることが難しい場合が多いです。原因としては糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、網膜中心動脈閉塞症、内頚動脈閉塞症など眼底の血流障害(血の巡りが悪い状態)が関係していることが多いです。目薬だけで眼圧がコントロールできない場合には、硝子体手術など網膜に対する手術や緑内障手術(眼圧を下げる手術)を行います。それでも眼圧がなかなか正常化せず、再手術を要する場合も多いです。このタイプの緑内障では他のタイプ以上に早期の治療が必要で、そのためには眼底疾患の早期発見が大切です。糖尿病や高血圧など全身疾患がある場合に定期的な眼底検査が推奨される由縁です。
以上、今回は続発緑内障の続きでした。ほかのことでも目について気になる症状がある場合は遠慮なくご相談ください。コンタクトレンズの処方希望やトラブルの方もお気軽にお越しください。